- 感染症の脅威に対する『3層防衛』
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インフルエンザ・ノロウイルス感染症・はしか・風邪や結核・MRSA感染症など、私たちの身の回りには、目に見えないウイルスや細菌などの感染症のリスクが潜んでいます。また最近では、新型インフルエンザなどの新興感染症の発生も懸念されています。
このような重症感染症のリスクの脅威に対して、大幸薬品では「3層防衛」という概念を提唱し、対策を行っています。
ウイルスが体や物体に付着することを想定した"第1層:物体防衛"、ウイルスが咳やくしゃみで空間中に浮遊すると想定した"第2層:空間防衛"、体内へ侵入したインフルエンザウイルスの感染と増殖を抑えることを目的とした"第3層:体内防衛"の3層に分け、それぞれの層における具体的な対策を提案しています。
第1層 物体防衛
物体防衛はウイルスが体や物体に付着することを想定し、手洗いの励行による予防をはじめ、感染機会を低減するための出社制限や人との距離をとる「2mルール」の徹底、咳・くしゃみのエチケット、排泄物処理等「うつらない」「うつさない」行動の徹底とともに、感染源の物理的な遮断(マスクや防護衣によるウイルス進入経路の遮断)および、接触感染経路における物体除菌の徹底を図ります。 この層での具体的な対策は、個人で行えるものとなっています。
第2層 空間防衛
空間防衛はウイルスが咳やくしゃみで空間中に浮遊すると想定し、呼吸することにより吸い込むウイルス量を減らす目的で、換気が十分できない居住空間や家庭内、通勤途中、職場内での空間除菌を行います。ウイルスの活動が低下する湿度50%RH以上、室温20℃以上を目標に、用途、場面に合わせた二酸化塩素ガス(注1)による空間除菌の方法とその準備、そして実施の徹底指導を行います。この層での具体的な対策は、家庭や企業などの集団で行うものとなっています。
(注1)J Gen Virol89,60-67(2008): マウスインフルエンザAウイルスのエアロゾール感染実験で、人暴露労働安全基準の3分の1以下の二酸化塩素ガスによりマウスの感染死亡の阻止とヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)活性の低下を確認。
第3層 体内防衛
体内防衛は、インフルエンザウイルスの体内への侵入とその増殖を抑えることを目的としています。
個人でできる最も基本的な体内防衛はうがいと通常のインフルエンザワクチン接種があげられます。爆発的な流行が懸念されている新型インフルエンザに対しては、次のような対策が講じられています。
プレパンデミックワクチンや、パンデミックワクチンはインフルエンザウイルスの表面タンパクであるヘマグルチニン(HA)活性を阻害することで細胞内侵入を抑え、抗インフルエンザ薬であるザナミビルやオセルタミビルはウイルスのノイラミニダーゼ(NA)活性を阻害することでウイルスの体内でのばら撒きを抑え、体内での増殖を阻止します。
プレパンデミックワクチンや、パンデミックワクチン接種と、早期対応戦略ガイドラインにおける抗インフルエンザ薬の予防投与は行政から指示を仰ぐことになります。